スペイン黄金世紀の詩人アロンソ=ヘロニモ・デ・サラス=バルバディーリョ(1581-1635)が文才のあった役者アグスティン・デ・ロハス・ビリャドランド(1572-1635)の著作『愉快な旅路』(1603)に捧げたソネットという献呈詩の1行目には韻律論的にみて、解釈が二通りありうる。以下のAとBである。A) Del rubio Febo+el celestial vï/aje, B) Del rubio Febo+el celestï/al viaje, この詩人は韻律論的に言って特異な個人的特徴が認められ、特に特定の語彙にその特徴が繰り返し現れる。viajeという語をこの詩人はiaを二重母音にせずに分立させて、三音節語とする例が見られるので、上の二つある解釈ではAの解釈の方が適切であると考えられる。論文(Article)