著者
三輪 宗弘
出版者
特定領域研究「日本の技術革新―経験蓄積と知識基盤化―」総括班
雑誌
第5回シンポジウム「日本の技術革新―経験蓄積と知識基盤化―」研究論文発表会論文集
巻号頁・発行日
pp.27-30, 2009-12-15

ドイツは本当に石炭液化法で航空機用ガソリンを製造していたのであろうか。日本海軍はドイツが石炭液化で航空機燃料を製造していると考えていた。しかしPBレポートを検討すると、日本海軍が低く評価していた低温乾留で得られたコールタールやピッチを原料にして、水素添加し、さらにDHD法やアルキレーション法などを駆使して、オクタン価の高い航空機燃料を製造していたことがわかる。日本と同じくドイツもベルギウス法によってまったく生産していなかった。ここには日本の技術開発における技術情報の大切さというものを、失敗の事例から学ぶことができる。

言及状況

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