著者
臼元 洋介
出版者
横浜市立大学医学会
雑誌
横浜医学 = Yokohama Medical Journal (ISSN:03727726)
巻号頁・発行日
vol.70, no.4, pp.645-651, 2019-10-30

法医学の分野では,死後経過時間の推定は重要な鑑定項目の1つである.これまでに,死後, 死体に現れるさまざまな化学的,物理的な現象を用いて,死後経過時間は推定されてきた.その中で も,現在広く用いられているのは,死斑や死後硬直,直腸温を用いた推定法である.しかしながら, 死斑や死後硬直については評価が主観的であり,直腸温については周囲の環境(気温や日当たりなど) の影響を強く受けるため,精密な死後経過時間の推定は容易ではない.筆者は,死後変化に影響を与 える因子の探索およびより精度の高い死後経過時間の推定法を確立することを目的として,様々な方 法を用いた死後変化の検討ならびに死後経過時間の推定法の研究を行ってきた.本稿では,これまで 検討を行った4つの方法(測色,髄液の電解質濃度,臓器重量,CT画像)による死後変化ならびに 死後経過時間推定法について詳述する.

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