著者
水田 拓
出版者
特定非営利活動法人バードリサーチ
雑誌
Bird Research
巻号頁・発行日
vol.3, pp.T21-T28, 2007

マダガスカル共和国アンカラファンツィカ国立公園において,2004年と2005年に温度データロガーを用いてマダガスカルサンコウチョウの巣の捕食者と捕食時間帯の特定を試みた.温度データロガーの設置と並行してビデオカメラによる捕食現場の撮影を行なった結果,ブラウンキツネザル,シロハラハイタカ,ゴノメアリノハハヘビの 3種の捕食者が特定された.ブラウンキツネザルとシロハラハイタカは夕方に,ゴノメアリノハハヘビは夜間に巣の卵やヒナを補食していた.巣の内部の測定温度は,これらの種による捕食の後急激に低下していた.ブラウンキツネザルによる捕食では,親が捕食の40分以上前から巣外に出ていたため温度変化は他と少し異なっていたが,温度変化から捕食者の種を特定することはできなかった.巣の捕食は夜間,早朝,夕方に多かったが,抱卵期と育雛期で捕食時間帯に違いは見られなかった.本研究により,捕食時間帯を特定するための温度データロガーを使用することは有効であることが示唆された.

言及状況

外部データベース (DOI)

Twitter (1 users, 1 posts, 0 favorites)

こんな論文どうですか? 温度データロガーによるマダガスカルサンコウチョウの巣の捕食者と捕食時間帯の特定,2007 http://ci.nii.ac.jp/naid/130000060980

収集済み URL リスト