著者
山本 竜大
出版者
Japan Society for Information and Media Studies
雑誌
情報メディア研究 (ISSN:13485857)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.43-57, 2004

本稿は,東京都議会の広報と都議の情報意識の事例を検討する.90年代以降の議会は,既存の広報紙の発行に加えて,テレビ番組,ICT化への対応を順調に進めてきた.99年12月開設の議会ホームページへのアクセスも伸びている.アンケート調査から都議は,複数の日刊紙を購読し,人気ニュース番組を視聴しやすい一方で,客観性・公平性・公共性,時間配分,キャスターの発言内容に報道の問題性を他方で感じている.政治情報源(メディア)としてインターネットに注目するものの,個人ホームページ開設には支持者の要請が作用しており,PC利用時間やEメール発信数も多くないため受動的な情報発信の態度がある.今後も新情報通信技術は政治の情報公開,広報活動,選挙準備に影響すると考えている.今後は情報メディアを介した政治・政策の成果内容を都議が問われるため,東京都や各都市の政治過程や選挙へのその影響は一層深まるといえる.

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