著者
古橋 治義 曽根 定家 志知 営一
出版者
大同特殊鋼株式会社
雑誌
電気製鋼 (ISSN:00118389)
巻号頁・発行日
vol.39, no.1, pp.16-32, 1968

数年前米国に端を発したアーク炉生産性向上の手段としての超大電力(Ultra High Power; UHP)操業がわが国においても最近注目されてきた。この機会にUHPに関して,アークの挙動,アーク炉の電気特性,不平衡回路の取扱い,炉の生産性,フリッカなど,アーク炉全般について,電気的見地から最近の技術的傾向をまとめた。近年アーク現象の解析は高速度カラー映画の導入で急速に進み,いっぽう,アーク炉三相不平衡回路の解析も計算機技術の助けによって大きな進展を約束されている。これらの新しい技術に基づいたアーク炉研究の一端として,アークからの伝熱,不平衡回路の解析,生産性の向上などに関して新しい提案を試みた。また,大電力投入に伴って,ますます表面化するであろう炉壁のホットスポットの問題に対してもいろいろの指針を提起した。さらに,アーク炉フリッカの問題については一船的な説明を述べると共に,UHP時に予想される方向を示唆した。

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