著者
大熊 誠一
出版者
The Japan Society for Analytical Chemistry
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.21, no.13, pp.188R-195R, 1972

鑑識化学分析は司法裁判に関係ある事件の解決に応用される分析化学であるため,裁判化学ともいわれている.したがって,分析の対象となる物質(物体)は,きわめて広範囲となるため,その分析内容は薬品分析,農薬分析,生化学分析,各種機器分析などに関係してくることが多いので,用に臨んで,それらの文献を参照し応用することが必要である.今回は1968年までの文献を収載した前回の総説に続いて1969年から1971年の間に発表された鑑識化学分析関係の文献を集録整理した.<SUP>1)</SUP>裁判化学の教科書が新しく出版<SUP>2)3)</SUP>されたが,機器分析法,薬毒物の生体内代謝,生体試料からの薬毒物の分離法などが可能なかぎり取り入れてあるので実務者,研究者にとっても有用である.裁判化学,毒物学に関係ある薬物の単離確認法<SUP>4)</SUP>,薬物の微量結晶検査法<SUP>5)</SUP>,人体臓器中の毒物検出法<SUP>6)</SUP>,揮発性毒物の系統的分析法<SUP>7)</SUP>などの単行本が発刊され,また,毒物の分析化学便覧<SUP>8)</SUP>が出版された.裁判毒物学におけるガスクロマトグラフィー(GC)のシンポジウム議事録が単行本<SUP>9)</SUP>として出版され,毒物学におけるクロマトグラフィーの総説<SUP>10)</SUP>が発表されている.原子吸光分析の基礎とそれの生物試料などへの応用を述べた単行本<SUP>11)</SUP>も出版された.質量スペクトル分析法(MS)の裁判化学への利用を記載したシンポジウム記事<SUP>12)</SUP>があり,また,各種分析機器<SUP>13)</SUP>,各種分光作学的方法<SUP>14)15)</SUP>の鑑識化学分析への応用を記述した総説,解説もある.臨床化学に関係のある薬毒物分析の総説<SUP>16)</SUP>も参考になるものと思われる。各種薬毒物の毒物学的研究の交献集<SUP>17)</SUP>,毒物学の単行本<SUP>18)</SUP>,便覧<SUP>19)</SUP>,雑誌<SUP>20)</SUP>なども出版されている.

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