著者
後藤 敏一
出版者
日本珪藻学会
雑誌
Diatom (ISSN:09119310)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.111-114, 1990

珪藻はひじょうに美しい形,模様をもっています.研究を離れて,自然の造形美にうっとりとすることもあります.どうしたらもっと美しい顕微鏡写真が撮れるだろうか?そんな思いをされている方も多いと思います.被写体がこれほど美しいわけですから,撮る側の工夫次第で美しい写真が必ず撮れると思います.<BR>私達が撮る写真(モノクロ)は研究用であり,撮影した珪藻の写真から種の同定に必要な形質を抽出したり,自己の資料としての記録用に,あるいは論文中の写真として利用します.このような目的から顕微鏡写真には高い再現性が要求されます.っまり,写真に表現される情報が高品質であり,同時に量が多いことが要求されるのです.高品質で多量の情報を含む写真とはどのようなものでしょうか.それは階調(濃度の最大から最小までの段階)の幡の広い写真といえます.純黒から純白までの間に何段階もの濃淡の差があってはじめて,珪藻の微細な部分の三次元構造が二次元の写真として正しく表現される訳です.それではどのような点に注意すればそのような顕微鏡写真が撮れるのでしょうか.顕微鏡写真ができ上がるまでには次のような過程があり,それぞれに美しい写真を撮るためのちょっとしたコッがあります.以下にその要点をあげてみたいと思います.

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