著者
宮本 梧樓
出版者
THE PHYSICAL SOCIETY OF JAPAN , The Mathematical Society of Japan
雑誌
日本数学物理学会誌 (ISSN:21852715)
巻号頁・発行日
vol.17, no.10, pp.557-566, 1943

(1) 渦卷型の軌道をもつ特別な型のβ線分析器を作り, (§3) その性質を調べた. (§4) 分解能として線譜の幅を<i>Δ</i>Hρ/(Hρ) にて6パーセント位にすれば強度は全立體角4πの5パーセント程度に及び, 舊來の半圓焦點法その他で高々1パーセントに過ぎないのに較べてはるかに宜しい. (§5)<br>(2) 熱電子を0-3000ボルトで加速したものを用ひて分析器の性質を調べた. (§6) 線譜の幅を中間の點で2パーセント位にすれば全電子の約50パーセントは檢出器に達する. 一般の荷電粒子に應用すれば, 例へば質量分析器として利用される可能性が十分大きい.<br>(3) Th Bのβ線を電氣的に0-30キロボルトで加速して測つた. (§7, 1) 加速による譜の變形も少く, この方法は軟β線分析に利用出來る. 尚この際, 加速された冷放射電子のHρ値から加速電壓が知れる. § (7, 2)<br>(4) 譜の一部をくわしく調べる爲に, 一定磁場の下で加速電壓を變へることを試みた. (§7, 3) 即ち或勢力の電子をこの加速電壓の範圍でくわしく調べられる。<br>(5) 譜の強さを各點こついて夫々速された時の強さと比較して計數管の相對的感度を得た. (§7, 4)<br>以上の如く渦卷型β線分析器を試作して, その性質及び關聯事項の一班を試驗し, 二三の實驗には十分利用出來る事が分つた.

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