- 著者
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奥田 英文
- 出版者
- 財団法人 日本消化器病学会
- 雑誌
- 消化器病学
- 巻号頁・発行日
- vol.8, no.3, pp.369-391,en13, 1943
野戦病院ヨリ前線部隊ノ「マラリア」ニ關スル報告少キヲ以テ, 繁忙ニシテ封照試験等不足シアルモ, 先ヅ報告シ叱正ヲ希フモノナリ.<BR>1.部隊上陸前日ヨリ毎夕鹽規0.2服用セシメタルモ, 潛伏期17-20日ニシテ, 「マラリア」三日熱ハ発生セリ<BR>2.月別二算出セルニ, 最高30-40%ノ練兵休以上ニヨル人的戰力減耗アリシモ, 治療藥ノ不足ナキ限リ, 作戰・警備ニ支障ナキ如ク考案治療シ, 且92%ニ再発セザル如ク治懸セシメ得ル事ヲ知レリ.<BR>3.自動車廢油ハ作戦地蚊族発生防止剣トシテ良好ナリ.<BR>4.「ヨモギ」ニヨル療法ハ初発三日熱「マヲリア」ニハ解熱力アリ, 耳血中ニ原蟲ハ消失スルモ血像ハ恢復セズ.<BR>5.早期治療ニ際シテハ脾腫稀ニシテ, 熱帯熱ニ於テモ, 耳血内二著明ナル半月状體ノ出現無ク, 多數ノ輪状體出現ノ程度ノ中ニ治癒セシメタリ.綱状赤血球モ饗化少ク, 型異動係數ハ1ヨリ大ナルモノヨリ, 治療ニ從ヒ1ヨリ小トナリ行クガ如シ.