著者
稲田 治
出版者
JAPAN TECHNICAL ASSOCIATION OF THE PULP AND PAPER INDUSTRY
雑誌
紙パ技協誌 (ISSN:0022815X)
巻号頁・発行日
vol.61, no.6, pp.643-654, 2007

日本製紙連合会は1997年より「環境に関する自主行動計画」を定め,積極的に活動している。その中の1つである地球温暖化対策目標は2004年11月に改定した次の2項目で,1990年度を基点とした実績についてフォローアップ結果を毎年公表している。<BR>(1)2010年度までに,製品当り化石エネルギー原単位を1990年度比13%削減し,CO<SUB>2</SUB>排出原単位を10%削減する。<BR>(2)2010年までに,所有または管理する国内外植林面積を60万haに拡大する。<BR>2005年度実績は,省エネルギー投資に加え,化石エネルギーから再生可能エネルギーおよび廃棄物エネルギーへの燃料転換投資により2年連続して大幅改善され,化石エネルギー原単位は86.5%で目標を若干上回り,CO<SUB>2</SUB>排出原単位は90.8%で目標に近づいた。また,今後の各社の投資計画を踏まえて2010年度を試算した結果,化石エネルギー原単位とCO<SUB>2</SUB>排出原単位ともに目標を達成できる見通しである。<BR>一方,植林面積の推移も順調で2005年度末で国内外合わせて536千haで目標の89%となり,達成は問題ないと考える。<BR>併せて,日本におけるエネルギーバランス,紙パルプ業界のエネルギーバランス,全産業のCO<SUB>2</SUB>排出量およびそれに占める紙パルプ産業の位置づけとともに,関連法律情報も報告した。

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