著者
三友 奈々 渡 和由
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.57, pp.H19-H19, 2010

本研究では、はじめに非営利団体プロジェクト・フォー・パブリックスペース(以下、PPS)によるプレイスメイキングの原則におけるデザインについて述べる。それを踏まえてPPSが関わった評価項目を用い、米国の先進事例であるニューヨーク市のブライアントパークの現状を通して、プレイスメイキングにおけるデザインに関する評価項目と実態について考察することを目的とする。予備調査として、PPSにおいて情報収集を行った後、本調査として文献調査及び現地調査を行い、二つの調査結果を総合的にまとめた。評価項目について、座る場所が重視されているが、原則のようにそこが利用されているかも重要である。そのため、座る場所自体に関する項目だけでなく、利用の有無についても追加する必要があると考える。また、対象地では、可動イスにより、利用者自身が仮設性と可変性のある簡易な設えをして居心地の良い居場所を自ら創出していた。このセッティング行為を促す可動イスの導入は公共空間のサードプレイス化に寄与すると考える。芝エリアは、日常利用と非日常利用が共存する可変性のある空間であり、ソフト面のデザインに支えられ、利用されるデザインとなっていた。

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