出版者
公益社団法人 東京地学協会
雑誌
地學雜誌
巻号頁・発行日
vol.123, no.2, pp.Cover02_1-Cover02_2, 2014

&emsp;この巨大都市模型は,六本木ヒルズなどおもに東京都心部の大規模な都市再開発(街づくり)を手がける森ビル(株)が,都市や景観を俯瞰的に捉えるためのツールとして独自に制作したもので(通常は一般に公開していない),港区を中心に東京都心部約 220 km<sup>2</sup>の範囲を1/1000のスケールで精巧に表現している.模型の大きさは17.0 m×15.3 mで,南北は大井競馬場から上野間,東西方向には葛西臨海公園から新宿までの範囲をカバーしている.この模型では建造物の外形や色が忠実に再現されているだけでなく,道路や鉄道などのインフラ施設も都市を構成する重要な要素として組み込まれている.<br>&emsp;巨大都市東京が抱えているさまざまな制約条件(インフラ施設の老朽化,景観のモザイク化,都市機能の過度な集中,大規模な自然災害リスクの増大など)を考慮した上で,将来的に都市全体としての機能向上を図るためには,実態を反映した3Dモデルの構築とそれに基づいた都市設計を進めることが不可欠である.近年の地理空間情報プラットフォームの整備にともない,建造物を含んだ3次元の空間情報数値モデルの構築とその利活用が推進されている.しかし,実際の都市開発計画の検討にあたっては,多くの人びとが同時に見ることができる都市模型(ジオラマ)が最も有用なツールの1つであることに変わりない.このジオラマも,東京のグランドデザインの構築や都市景観の検討に活用されることに期待されている.<br>(写真:森ビル株式会社提供;説明文:稲崎富士・菊地俊夫)

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