著者
坂本 久子
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.52, pp.5-5, 2005

フィラデルフィア万国博覧会(1876年)の会場には二棟の日本の建物が建てられた。これらは日本から建築資材を運び、日本の職人が現地に赴き建てたものであり、アメリカで多くの人々が見た本格的な日本建築であった。一棟は「日本家屋」で、もう一棟は「日本賣物店ノ建築」である。そしてこれらは万国博覧会の日本の出品物であった。これらの建物については、「日本的なもの」や「日本」の演出について考察した研究は見られるが、アメリカの人々がどのような目を向けつつこれらの建物を受留めたかの論考はなされていない。 本報告は、当時の絵入新聞三誌の記事と挿絵を中心にして、この建物を扱ったアメリカの著書と写真を参照しながら、報道を通して日本の建築に対するアメリカ人の受留め方と共にその建設過程についても考察するものである。

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