著者
芳村 圭
出版者
日本水文科学会
雑誌
日本水文科学会誌
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.87-99, 2016

<p>水の水素・酸素同位体比の分析技術と同位体大循環モデリングの革新的な進展によって,水の同位体についても観測とモデルを結びつけるデータ同化が現実的になってきた。人工衛星搭載の分光計等による水蒸気同位体比をデータ同化することで,風や気温・気圧などの大気循環場を拘束することが可能である。この技術は,水文学や気象学で扱っている大気中の水循環過程や大気陸面相互作用の詳細解明に役立つ。一方,気候学・古気候学で重要な過去気候の復元研究ではデータ同化研究はこれまで多数行われてきた。その中で,計算量を大幅に少なくするために開発されたオフラインデータ同化技術は着目に値する。しかし,いずれの研究でも同位体情報を気候情報に換算したのちにデータ同化している。したがって,同位体情報から気候情報との関係が時空間的に一定ではないことも考慮可能な,同位体情報を直接用いたデータ同化手法を検討・開発していく必要がある。</p>

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CiNii 論文 -  水同位体比情報を用いたデータ同化 https://t.co/YDNjVtLY0g #CiNii

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