著者
坂本 久子
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.60, 2013

本報告は、1876年前後の主としてフランスとイギリスにおける日本趣味を感じさせる美術と工芸の作品5点、すなわち、クロード・モネの「ラ・ジャポネーズ」、ファリックス・ブラックモンの「セルヴィス・パリジャンの皿」、エミール・ガレの「壺・日本の怪獣の頭」、ジェームス・A・M・ホイッスラーの「孔雀の間」、ミントン社の「日本風俗図扁壺」を事例的に取り上げ、その作品が生み出された経緯、日本の美術と工芸品との関わり、作者の簡単な略歴などを紹介して、この時代のヨーロッパ、主にフランスとイギリスにおけるジャパネスク・スタイルの状況を考察するものである。僅か5点の作品から状況をみるのは困難であるが、これらの作品に関った人々は、19世紀後半の新しい芸術と工芸の胎動に寄与した人々であり、日本の美術と工芸がいかに多くの示唆を与えたかを知ることが出来る。

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