著者
伊藤 大輔
出版者
日本不安症学会
雑誌
不安症研究
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.33-41, 2017

<p>本研究の目的は,思考内容が行動を制御するための他の有用な資源を抑えて支配的になる傾向を示す認知的フュージョンが,否定的認知を媒介して,外傷後ストレス症状に悪影響をもたらすというモデルを検証することであった。大学生557名を対象に,外傷体験調査票,認知的フュージョン,トラウマに対する否定的認知,外傷後ストレス症状に対する否定的認知,外傷後ストレス症状に関する測定尺度を実施した。広義のトラウマ体験者281名を対象に,共分散構造分析を実施した結果,想定したモデルの適合度について十分な値が得られた。つまり,認知的フュージョンは,トラウマや外傷後ストレス症状に対する否定的認知に正の影響を及ぼし,トラウマや外傷後ストレス症状に対する否定的認知は外傷後ストレス症状に正の影響を及ぼすというプロセスが示された。今後は,認知的フュージョンをターゲットとした介入法の有効性やその改善プロセスの検証が求められる。</p>

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認知的フュージョンが否定的認知を媒介して外傷後ストレス症状に及ぼす影響 : https://t.co/pFdpnLFHeL
認知的フュージョンが否定的認知を媒介して外傷後ストレス症状に及ぼす影響 : https://t.co/TX5Q2Tp0CZ

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