著者
間 永次郎
出版者
日本南アジア学会
雑誌
南アジア研究 (ISSN:09155643)
巻号頁・発行日
vol.2017, no.29, pp.92-123, 2017

本稿では、南アフリカでガーンディーのサッティヤーグラハ闘争が誕生する過程において、ガーンディーの「ブラフマチャリヤ(性的禁欲)」の実験がいかなる役割を果たすものであったのかを探究した。本稿では、第一に、サッティヤーグラハ闘争の開始を告げる1906年の人種差別法案撤廃を訴えるガーンディーの政治集会の演説をグジャラーティー語の原文から分析した。これにより、闘争の誕生を特徴付けていたものは、集会の中で、突如、ガーンディーが体験した内なる「シャクティ(<i>śakti</i>)」の発生にあったことを示した。第二に、1913年にガーンディーがブラフマチャリヤの実験の一つである「精液結集(<i>vīryasaṇgrah</i>)」について記した「秘密の章(Guhya Prakaraṇ)」と題するグジャラーティー語の記事を分析した。そして、先の体験が起こった背景には、この精液結集によってガーンディーの身体内に生命力の源泉である「精液(<i>vīrya</i>)」が蓄積されていたことが関係していたことを明らかにした。

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