著者
山分 佐知子
出版者
日本ファイナンス学会 MPTフォーラム
雑誌
現代ファイナンス
巻号頁・発行日
vol.14, pp.47-78, 2003

<p>本稿の目的は,日本の新規公開市場の現状を整理し,その価格形成について実証的に分析することである.分析対象は,日本の新興市場として位置づけられる店頭市場に,1995年~2002年に株式を新規公開した企業713社である.本稿では,欧米の株式新規公開に関する定型化された事実の1つであるアンダープライシングについて,その存在を確認し,それに関する理論仮説を回帰分析によって検証している.本稿の分析結果は,The Winner's Curseが日本のアンダープライシングでも重要な要因であり,特に,起業家(initial owner)の意思決定がその程度に影響を及ぼすことを示唆している.また,引受証券会社の保証効果仮説と投資家の情報顕示理論による部分調整仮説は,日本の現状とは整合的ではない.これは,日本の引受市場の状態や実質上の制約が影響しているためであると考えられる.</p>

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