著者
太田 博三
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, pp.1N2J905, 2019

<p>本稿では,OPIの口頭試験(インタビュー)の1回目と2回目,2回目と3回目,そして最大5回目までの発話を事前・事後の事象とみなし,ベイズ論的アプローチを用いて,発話の省略と反復・繰り返しの相互作用を考察したものである.昨今,頻度主義の統計学からベイズ統計が主流となったのと同じく,相互行為も,実は条件付き相互行為で説明できることが少なくない.人は事前の事象を踏まえて,事後の事象が発生するからである.国立国語研究所の提供する日本語学習者会話データベースの縦断調査では,同一人物を最大で5回,口頭試験し追及したものである.本考察のユニークな点は,発話連鎖は一度は完結し,本来的には異なるものだが,事前(1回目)と事後(2回目)とで完結しているにも関わらず,「はいはいはい」や「そうそうそう」など強い同意と供に,くだけた表現になり,礼儀作法の変化が見受けられる点である. 2回目以降でも,同じ事を繰り返して言うのは,前回のことを覚えていないなど,失礼に当たるなどがある. ここで,非言語のフィラーなどは実用的なものであり,人工知能(AI)やロボットなどの対話システムに適用可能である.</p>

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こんな論文どうですか? 縦断的調査データによる条件付き相互行為の実証研究:〜自然発話文の語用論的アプローチから〜(太田 博三),2019 https://t.co/lFbP2PHG0D <p>本稿では,OPIの口頭試験(インタビュー)の1回目と2回…

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