著者
大栗 行昭
出版者
日本農業経済学会
雑誌
農業経済研究 (ISSN:03873234)
巻号頁・発行日
vol.91, no.4, pp.407-424, 2020

<p>初期の産業組合は,藩政期に成立した部落を区域とする,小農の商品経済対応組織であったとされる.この自治村落論を検証するには,組合設立時の資料を用いて組合の区域と藩政村の領域とを比較する必要があるが,適切な資料は使われてこなかった.本論文は産業組合法公布(1900年)後10年間に設立された5,509組合の役員住所(『官報』掲載)によって,組合区域が藩政村であったかを検証した.初期組合の中で藩政村の組合は支配的でないことが明らかになった.注目されるのは複数の藩政村で構成された組合が最も多かったことで,村々をまとめたのは中小地主であることが示唆された.初期産業組合設立の実態からは,自治村落論は支持されない.</p>

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こんな論文どうですか? 初期産業組合設立における自治村落論の検証:組合の区域と設立者の検討を通して(大栗 行昭),2020 https://t.co/vuCsy5P9Fi <p>初期の産業組合は,藩政期に成立した部落を区域とする,小農の商品経済対応…

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