著者
糠明珊
雑誌
日本教育心理学会第58回総会
巻号頁・発行日
2016-09-22

目 的 台湾では,携帯電話という撮影機器が入手しやすくなるため,いつでも誰でも簡単に撮影できる生活になっている。それに伴い,盗撮のニュースもしばしば流れ,ほとんどが常習犯である。盗撮が絶えないのは,おそらく人々の意識にかかっているだろう。というのは,盗撮が発覚されないのは勿論,盗撮が発覚されても,摘発しないことも考えられる。それは,盗撮の多発につながり,女性にとってますます不安全な環境になっていくだろう。 盗撮事件に対する意識を調査することで,大学生の態度を把握でき,盗撮事件の対処がどんな影響を及ぼすかについての検討を含め,より安全な環境作りに役立つだろう。方 法 2015年12月に大学生44名(男性36名,女性8名)を対象にアンケート調査を行った。まず,盗撮事件及び立件するまでのパス図を説明してから,アンケートに質問を答えてもらった。 台湾では,盗撮は親告罪なので,被害者から告訴しないと立件されない。図1に示した通り,盗撮が発覚され,被害者に知らせ,さらに告訴しない限り,立件が成り立たない。盗撮が立件されなけらば,被害者がますます増えていくだろう。それで,盗撮が立件するためには,事件にかかわる(犯罪現場または盗撮写真,ビデオの目撃など)人々の協力は不可欠である。本研究は異なる立場の質問を設定し,調査と共に,多角から盗撮事件を考える機会を与え,教育の役割も果たしていく。結果及び検討事件設定:ある場合に,A大学のAさんがトイレで,Bさんを盗撮したことが知らされた。 問1の結果に示した通り,どの立場も告発する傾向が高い。盗撮者が知り合いであれば,告発に迷う回答が多くなった。具体的には,友達にチャンスをあげたい,友情に支障をきたされたくない,告発に面倒などの理由が記述された。 問2の結果に示した通り,Bさん及び恋人,家族の答えの一致性が現れ,告発の期待度が高く,その理由に,被害者であるBさんの知る権利が強調された。 問3の結果に示した通り,告訴する答えが一番多かった。告訴しないのは,Bさんの二次被害の危惧が主な理由であった。

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