著者
寺島裕貴 岡田真人
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.2013-MUS-99, no.43, pp.1-4, 2013-05-04

大脳皮質聴覚野が担う複雑な情報処理の原理解明に向け,皮質の一様性を根拠に視覚系相同領野のモデルが応用されつつある.しかし,既存研究で議論されてきたのは視覚野神経細胞のうち線形応答を示す単純細胞のモデルに限られており,非線形な複雑細胞に相当する概念については未着手だった.本研究で我々は,視覚野複雑細胞の学習モデルであるトポグラフィック独立成分分析を自然画像の代わりに自然音に適応させた.学習結果である聴覚版「複雑細胞」の特性は,近年聴覚野で発見されたピッチ細胞と同様に“missing fundamental”類似の非線形性を示した.聴覚野ピッチ細胞が視覚野複雑細胞と同一のモデルによる自然刺激学習で獲得可能であるという結果は,両者の計算論的相同性を示唆する.
著者
岡田真人
雑誌
ハイパフォーマンスコンピューティングと計算科学シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, pp.23-24, 2013-12-31

実験や観測によって得られるデータを少数の説明変数で記述することを目的とする 「モデリング」 は自然科学の重要なアプローチの一つである.スパースモデリングは,高次元データからの説明変数の自動抽出を最適化問題の形に定式化する.本講演では,スパースモデリングの適用例を紹介し,ハイパフォマンスコンピューティングとスパースモデリングの関係を述べる.