著者
松本鮎美 ウ小軍 松浦宣彦
雑誌
画像の認識・理解シンポジウム(MIRU2011)論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.683-690, 2011-07-20

動的システムをモデル化する際には,一つのシステムに対して一つのモデルを用いるのが一般的である.しかし,このような事前モデルを用いて観測データからシステムの状態推定を行う場合,観測条件の変動などにより推定誤差が大きくなる傾向にある.これは,観測データの欠落や変動のためである.本研究では,観測データの変動によって起こる推定誤差の低減を目指し,事前モデルを構築する際に,学習データから部分的なデータを取り出し,全体データと部分データのそれぞれに対してモデル化を行う.さらにそれらの複数のモデルに対して関連付けを行うことで,一つの動的システムに対して階層的なモデル構築を行う方法を提案する.本論文では,この階層的モデルを人物の3次元動作推定に適用し,観測データの欠落や観測条件の変動にも安定して3次元動作推定が可能であることを確認した.