著者
ワイス ピーター エリオット ステファン 高野 聡 笠井 隆志
出版者
JAPAN TECHNICAL ASSOCIATION OF THE PULP AND PAPER INDUSTRY
雑誌
紙パ技協誌 (ISSN:0022815X)
巻号頁・発行日
vol.55, no.10, pp.1452-1456,025, 2001

今日, 合成潤滑油の優れた面に関する漠然とした理解があり, その一方で, 合成潤滑油を製紙機械に使用した場合, 経費節減をもたらすという現実がある。<BR>本報の目的は, 合成潤滑油の使用に関する理解を深め, 合成潤滑油の製紙機械への適用の手だてとしていただくことである。まず「合成」という言葉を説明し, 異なった特長を持つ, さまざまな合成潤滑油の種類について紹介する。合成潤滑油の特長は, 下記の通りである。<BR>(1) 優れた粘度温度特性,(2) 高い熱・酸化安定性,(3) 優れた流動特性,(4) 鉱物油との親和性 (特にポリアルファオレフイン),(5) オイル交換周期の延長,(6) 摩擦損失の低減,(7) オイル消費量の低減<BR>また, 合成潤滑油がもたらす利益についての技術的なアドバイスと, その製紙機械の適用箇所を見つける方法について述べる。<BR>合成潤滑油が鉱物油と比較して, いかに経費節減に貢献するかについて, 具体的な適用例を取り上げながら説明する。本報が, 実際に製紙機械の運転や管理に携わる方々の経費節減のヒントに繋がることを望む。