著者
シュワルツェネッガー クリスティアン 薮中 悠 横濱 和弥 荒木 泰貴 山田 雄大 橋本 広大 橋本 広大
出版者
慶應義塾大学大学院法務研究科
雑誌
慶應法学 = Keio law journal (ISSN:18800750)
巻号頁・発行日
no.36, pp.181-294, 2016-12

翻訳第1部 刑事制裁 : 機能と基礎づけ〔荒木泰貴訳〕 1. はじめに 2. スイス刑法の基礎としての刑罰理論 2.1 絶対的刑罰理論 a) 同害報復(タリオ)の原理 b) イマヌエル・カントの応報理論 c) ゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリヒ・ヘーゲルにおける「否定の否定」としての刑罰 d) キリスト教・ユダヤ教の伝統における罪悪の埋め合わせのための刑罰 e) フリードリヒ・ニーチェにおける刑罰理論と時代精神 f) 絶対的刑罰理論についての小括 2.2 相対的刑罰理論 a) ジェレミー・ベンサムとアンゼルム・フォン・フォイエルバッハの例にみる威嚇ないし消極的一般予防 b) 犯罪人類学派および社会学派の例にみる特別予防 c) エミール・デュルケームの例にみる積極的一般予防 d) 修復的刑事司法 2.3 統合説 3. 経験的な効果研究 4. 現行スイス刑法における制裁の機能 5. 人権と刑罰 : 歯止めと〔最低〕準則第2部 刑罰と処分〔山田雄大訳〕 1. 概念 2. 刑罰と保安処分 2.1 カール・シュトースによる処分の導入 2.2 一元主義的, 又は二元主義的な制裁制度 2.3 制裁決定およびその執行における一元主義と二元主義 2.4 刑罰と保安処分の関係性 3. 刑法の「第3の道」としての刑事調停, 裁判外における犯罪清算および損害回復? 4. 刑法典の新たな制裁制度の展望 4.1 刑罰 a) 刑種 b) 刑法典と特別刑法における刑罰の定め 4.2 処分第3部 刑種概観〔横濱和弥訳〕 1. はじめに 2. 個々の刑種 2.1 罰金(Geldstrafe) 2.2 公益的労働(Gemeinnützige Arbeit) 2.3 自由刑 2.4 科料(Busse) 2.5 企業科料(Unternehmensbusse)第4部 刑の種類および量の決定〔橋本広大訳〕 1. はじめに 2. 刑法各則における法定刑の意味 3. 刑の免除(Strafbefreiung) 3.1 刑の免除の法的性質 3.2 刑の免除事由 3.2.1 要罰性の欠如(刑法52条) 3.2.2 損害回復(Wiedergutmachung)(刑法53条) 3.2.3 犯人が犯行により被った不利益(刑法54条) 3.3 配偶者又は生活パートナー(Lebenspartner)が被害者である場合の手続打切り(刑法55条a) 3.4 刑の免除の手続 3.5 刑の免除の効果第5部 量刑概観〔薮中悠訳〕 1.総説 2.量刑の各段階 2.1 通常の法定刑の決定 2.2 1個又は2個以上の刑の減軽事由が存在する場合の拡張された法定刑の決定 2.3 犯罪競合の場合の拡張された法定刑の決定(刑法49条1項) 2.4 刑の減軽事由と加重事由の併存 2.5 通常の法定刑又は拡張された法定刑の枠内での量刑(刑法47条) a) 犯罪行為の不法を徴表する責任(Verschulden)メルクマール b) 不法〔の実現〕に関する犯人の非難可能性を徴表する責任メルクマール c) 責任と関連しない量刑の諸要素 d) 責任の評価および刑量の決定の順序第6部 罰金と科料の量定〔小池信太郎訳〕 1. 罰金の量定 2. 科料の量定 3. 刑法102条による企業に対する科料の量定第7部 刑の執行猶予と一部執行猶予〔小池信太郎訳〕 1. 総説 2. 刑の執行猶予(bedingte Strafe)および一部執行猶予(teilbedingte Strafe)の要件 2.1 客観的〔=刑に関する〕要件 a) 自由刑 b) 罰金 c) 科料 2.2 主観的〔=犯人に関する〕要件 : 不良な予測(ungünstige Prognose)の欠如 a) 不良な予測の諸基準 b) (重要な)前科がない者の再犯予測 c) 前科者の再犯予測 2.3 被害の回復 3. 罰金実刑又は科料の併科(刑法42条4項)および刑の一部執行猶予(刑法43条) 3.1 前提状況 3.2 併科刑(刑法42条4項) 3.3 刑の一部執行猶予(刑法43条) 4. 付随的命令 4.1 執行猶予期間(Probezeit) 4.2 保護観察(Bewährungshilfe)又は指示(Weisungen) 5. 執行猶予の成功(Bewährung)と猶予期間中の非行(Nichtbewährung) 5.1 執行猶予の成功 5.2 執行猶予中の非行 a) 取消事由 b) 取消事由が存する場合の帰趨 c) 取消しと代替措置の時間的制限 d) 管轄