著者
村中 洋介 ムラナカ ヨウスケ
雑誌
静岡文化芸術大学研究紀要 = Shizuoka University of Art and Culture Bulletin
巻号頁・発行日
vol.21, pp.33-40, 2021-03-31

2020年4月に,香川県は子供のゲーム時間などを制限することを内容に含む条例を施行した。その背景には,「ゲーム障害」を病気として位置づけ,ゲーム依存症対策を行うべきだとする動きがある。ゲームやインターネットをすること,スマートフォンの利用などは本来人々にとって自由とされるものであるはずで,それを制限することは憲法上問題があるともいえる。香川県条例はそうした自由を制限する内容を含むもので,憲法上このような条例制定が認められるか疑問が残る。そのような中で施行された香川県の条例について,他の人権を制約する可能性のある条例との比較を通じて,香川県条例の憲法適合性について検討する。