- 著者
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白井 宏明
田村 真治
三浦 晃弘
今中 信人
- 出版者
- Japan Society of Colour Material
- 雑誌
- 色材協会誌 (ISSN:0010180X)
- 巻号頁・発行日
- vol.93, no.7, pp.214-218, 2020-07-20 (Released:2020-07-30)
- 参考文献数
- 10
- 被引用文献数
-
1
新規な環境調和型の青色無機顔料の開発を目的とし,Ba(TiO)(Cu1-xLix)4(PO4)4(0 ≤ x ≤ 0.15)を合成し,その色彩を評価した。Ba(TiO)Cu4(PO4)4のCuイオンサイトをLiイオンで部分置換し,CuO4ユニットに歪みを生じさせることで,電荷移動およびd-d遷移吸収を制御した。その結果,合成した試料の中でBa(TiO)(Cu0.90Li0.10)4(PO4)4が最も高い青色度(-b*=57.6)を示し,その値は市販顔料であるコバルトブルー(CoAl2O4;-b*=59.5)と同等であり,さらに,その色相角(H°=268.7°)は純粋な青色を示す270°に非常に近い値を示すことが明らかとなった。