- 著者
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高松 徹
大竹 はるか
上原 健志
新藤 雄司
池谷 敬
東海 浩一
池田 正俊
牛丸 信也
浅野 岳春
松本 吏弘
岩城 孝明
福西 昌徳
鷺原 規喜
浅部 伸一
宮谷 博幸
吉田 行雄
- 出版者
- 一般社団法人 日本膵臓学会
- 雑誌
- 膵臓 (ISSN:09130071)
- 巻号頁・発行日
- vol.27, no.5, pp.695-700, 2012 (Released:2012-11-28)
- 参考文献数
- 26
- 被引用文献数
-
1
症例は50歳の女性.繰り返す膵炎と心窩部痛の精査目的に当院紹介.造影CT,USで腫瘍や膵管・胆管拡張は認めなかったが,胆道シンチグラフィにて十二指腸への胆汁排泄遅延を認めた.入院時血液検査所見(無症状時)では肝胆道系,膵酵素,IgG4値の異常は認めなかった.ERCP所見は胆管挿管困難にてprecut施行後に胆管造影・IDUS実施したが器質的閉塞は認めなかった.主乳頭からは膵管像得られず,副乳頭からの膵管造影で背側膵管のみ造影された.膵炎の原因は膵管癒合不全と診断し,副膵管口切開術を施行した.また,biliary typeの十二指腸乳頭括約筋機能不全(SOD)も合併していると診断し,乳頭括約筋切開術も同時に施行した.その後,内視鏡的乳頭バルーン拡張術の追加を要したが,以後は膵炎の再燃も認めず自覚症状も改善している.膵管癒合不全を伴ったSODの報告は稀であり若干の文献的考察を加えて報告する.