著者
田邊 幾之助 上村 幸広 吉井 右 木佐木 博 藤井 正範
出版者
鹿児島大学
雑誌
鹿兒島大學農學部學術報告 (ISSN:04530845)
巻号頁・発行日
vol.31, pp.33-39, 1981-03-19

海水の常在微生物相から旧式焼酎蒸溜廃液を加えながら形成させた海水活性汚泥による処理は良好であったが, この海水活性汚泥法の的確な微生物管理のためには微生物相を充分に把握する必要がある.このため, 先ず, 通常の分離方法で微生物相を明らかにした.微生物相は混合液を洗浄液, 洗浄汚泥(試料(4))およびワーリングブレンダーでホモゲナイズした洗浄汚泥(試料(5))について明らかにしたが, 海水活性汚泥の場合は主として, flavobacteria, Achromobacter-Pseudomonas群およびCorynebacterium roseumから成立ち, しかも, これらはいずれも(5)/(4)比が10^3と高く, 汚泥フロックの構成的な細菌であることが証明出来た.菌類としてはGeotrichum candidum, 藻類としてはChlorellaおよび藍藻が目立った.