著者
上村 明英 ウエムラ アキエ Akie UEMURA
雑誌
静岡文化芸術大学研究紀要
巻号頁・発行日
no.19, pp.145-150, 2019-03-31

本稿は、大学における英語の授業内多読の効果について報告するものである。各授業の冒頭15分間で用意された多読図書を読む活動を1学期間行い、学期最終日にアンケートを実施した。その結果、多読を妨げる最大の要因が時間不足であることが明らかになった。さらに、一年の間に多読に対する意欲が低下していることも分かった。本調査から授業内多読は二つの理由からこの状況を打開する方法となり得ることが示唆された。一点目としては、授業内多読を通して多読の楽しみを学生が認識することができるという点である。もう一点は、授業内多読は読む時間が最低限確保できるというだけでなく、授業外でも多読をするきっかけとなりうるという点である。調査結果をふまえ、授業内多読に必要不可欠な要素についても考察を加える。