著者
浦田 有佳里 下村 憲輔 白石 敬典 田 娟 中原 道智 瀬戸 洋一
雑誌
コンピュータセキュリティシンポジウム2016論文集
巻号頁・発行日
vol.2016, no.2, pp.792-796, 2016-10-04

個人情報の収集を伴うシステムを構築する際,プライバシー保護には,プライバシー影響評価 (Privacy Impact Assessment) を事前に実施することが有効である.PIA の目的は,公共の利益を確保し,個人のプライバシーを守ると共に,ステークホルダー間の信頼関係を確保することにある.カナダや米国では行政システムを構築する際,PIA の実施を法的に義務付けている.日本で実効性をもって実施するには,理論的な裏付けが必要である.本稿では,PIA が,ユーザープライバシーを尊重するプライバシーバイデザインの考え方,およびステークホルダー間の対話による合意形成を行うマルチステークホルダープロセスより構成されることを考察する.