著者
世良 末素人
出版者
The Ceramic Society of Japan
雑誌
大日本窯業協會雑誌 (ISSN:03669998)
巻号頁・発行日
vol.38, no.449, pp.279-283, 1930

工業製品に對する規格統一は、世界的に其の機運熟し、我國に於ても、商工省に日本工業品規格統一調査會を設けて、其の運動の中心機關をなして居るが、未だ寡聞にして、材料分析法に關する規格の統一されたるを聞かず、從つて各工揚・會社・學校等に於ける分析法も、區々街々にして、殊に硅酸分の測定の如きデリケートなるものは其の方法乃至操作の如何によりては可成の相違あるを見る。<br>余もとより淺學菲才、殊に分析を專業とせるものにあらざれば、次に示さんとする亞米利加材料試驗所 (The American Society for Testing Materials) の粘土分析法の規絡に對し、欽仰せるものにもあらず、又、評論するものにもあらず、只余自身の參考にさなんと譯したるものを其の儘、亞米利加にはかゝる規格のある事を紹介せんとするに過ぎず。幸に分析術修學中の諸氏の幾分の參考ともならば望外である。