著者
両角 宗晴 岸 佐年
出版者
公益社団法人精密工学会
雑誌
精密機械 (ISSN:03743543)
巻号頁・発行日
vol.48, no.4, pp.503-509, 1982-04-05

三針法によりねじの有効径を測定する時は測定針とねじ溝の両側面とはそれぞれ単一接触を保つことが必要である.しかしねじ山角が小で進み角の大なるねじになると二重接触を生じ測定不可能となることがある.本論文はチェイストヘリコイドについての単一接触限界を論じ, まず単一接触か二重接触かを判定する実用的判定式が誘導された.次にこの実用判定式で二重接触の危険が予想された時, 二重接触の有無を厳密に判定する式が解析的方法により誘導された.そしてねじ山角が小で進み角の大なるチェイストヘリコイドは軸断面山形が中凸形となり, スクリューヘリコイドに比べ二重接触の危険の小さいことが理論及び数値例により明らかにされた.