著者
善木 道雄 中北 吉彦 小松 愛可 横山 崇
出版者
公益社団法人日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.121-124, 2000-02-05
被引用文献数
8 9

ゼロエミッションを志向した分析法の開発の一環として, 使用した試薬溶液を再度繰り返し利用できる, 強酸, 強塩基を定量する循環式フローインジェクションシステムを構築した. メチルオレンジ(MO) (1.5×10^<-4> M)を含む酢酸-酢酸ナトリウム緩衝液 (濃度0.01, 0.1 あるいは 1 M, 容積 100 ml)をポンプでサンプルインジェクター, フローセルを通して循環させた. 注入された試料 (2 μl)は, 中和反応によりMOを変色 (530 nmの吸光度を検出記録) させるが, すぐに拡散, 緩衝され試薬だめに戻る. 検量線は, 緩衝液の濃度の50倍の濃度まで酸・塩基とも直線となった. また, 緩衝液濃度の10倍の濃度の試料を用いて, 連続試料注入回数について調べたところ, ベースラインが徐々に増大するのでなんらかの補正が必要だが, 500回程度の連続定量は可能なことが分かった.