著者
中山 亜弓
出版者
新見公立短期大学
雑誌
新見公立短期大学紀要 (ISSN:13453599)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.53-57, 2007

著者が訪問看護を行った高齢者への関わりの振り返りを行い,入院中から退院後の生活にかけて,高齢者への看護のあり方の課題を得ることを目的に考察を加えた。疾病による障害を経験した高齢者が,どのような生きがいの変化を体験しているのか,また,生きがいに影響している因子との関連性があるのかを明らかにした。その結果,患者は退職という社会的な役割変化を経験し始める時期に発症することで,身体的な障害を受けると同時に,社会と家庭の両方において役割喪失を体験し,発症前の自己像との違いに葛藤している状態であった。しかし,家族から患者の気持ちを受け止めている発言がみられたことで,患者の表情や言葉に変化が見られ,障害受容につながっていると思われた。よって,障害を有する患者本人のありのまま全てを受け入れるか否かが,家族にとっての障害受容ではないかと考えられる。そして,それを受容した家族から受けるサポートによって,患者は障害受容ができると考えられる。このことから,専門職は,患者本人の障害受容と家族の受容の,2者に対しての支援を考えることが必要であることが示唆された。