著者
中島 古史郎 吉本 国春
出版者
社団法人空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会論文集 (ISSN:0385275X)
巻号頁・発行日
no.142, pp.39-46, 2009-01-05

雨水の有効利用を図るため、廃木材からのリサイクル資材である高品位炭を使用して、戸建住宅の雨樋で集めた雨水を浄化する研究を行った。1年3ヶ月もの間、高品位炭の交換をせず実験を継続した結果、1時間滞留によって、COD4.0〜0.5mg/Lの水質の雨水が、COD2.8〜0.5mg/L程度まで除去された。実用を想定して浄化装置を秋の1ヶ月間、冬から初夏までの5ヶ月間、そして夏の1ヶ月半、計3回停止した後再開させたが、浄化能力は継続して認められた。従って、貯留雨水は、高品位炭によって有機汚濁物質・細菌類等を実用上様々な利用が可能なレベルの水質まで浄化出来る事、また高品位炭によるCODの水質浄化機構は、吸着作用と微生物浄化作用の相乗効果である事が推察された。