著者
久木元伸如 中田聡史
雑誌
デジタルプラクティス (ISSN:21884390)
巻号頁・発行日
vol.5, no.3, pp.249-256, 2014-07-15

海況予測システムは自然法則に従ったコンピュータシミュレーションによって海水温や流速を予測し,漁業者に携帯電話やPCを通じて配信するものである.この海況予測システムを漁業者に利用してもらい,安全かつ効率的な操業に役立ててもらう試みがなされてきている.しかし,これまでシステムの有用性について十分な評価がされていないので,漁業者にとって必要な情報は何か,改善点は何かなどについて検討する必要がある.本研究では評価グリッド法を活用して,漁業者がどのような目的で海況予測システムを利用し,漁場探索を行うためにどのような情報に注目しているか調査した.結果として漁業者は安全かつ効率的に操業を行うために海況予測システムを利用し,予測水温の水平勾配や鉛直流速差といった定量的な物理量に注目していることが分かった.