著者
中野 てい子 冨浦 洋一
出版者
一般社団法人 言語処理学会
雑誌
自然言語処理 (ISSN:13407619)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.3-29, 2011 (Released:2011-04-27)
参考文献数
14
被引用文献数
1 1

日本語学習者が産出する名詞 n,格助詞 c,動詞 v から成る不自然な共起表現 〈n,c,v〉 の中には,動詞選択の誤りに起因するものがある.本稿では,学習者が入力する共起表現 〈n,c,v〉の v に対する適切な代替動詞候補を与える手法を提案する.不自然な共起表現中の動詞(誤用動詞)と自然な共起表現となるように修正した適切な動詞(正用動詞)とは出現環境が類似している傾向にあると考えられる.この仮説に基づき,大規模な母語話者コーパスから得られる統計情報を用いて,〈n,c〉 との共起が自然と言える代替動詞候補を,学習者が入力した共起表現の動詞との出現環境の類似度の降順に提示する.まず,誤用動詞とその正用動詞のデータに基づいてこの仮説を検証し,さらに,同データを用いて提案手法に基づいた共起表現に関する作文支援システムの実用性について検討する.
著者
中野 てい子 冨浦 洋一
出版者
一般社団法人 言語処理学会
雑誌
自然言語処理 (ISSN:13407619)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.3-29, 2011
被引用文献数
1

日本語学習者が産出する名詞 <I>n</I>,格助詞 <I>c</I>,動詞 <I>v</I> から成る不自然な共起表現 〈<I>n</I>,<I>c</I>,<I>v</I>〉 の中には,動詞選択の誤りに起因するものがある.本稿では,学習者が入力する共起表現 〈<I>n</I>,<I>c</I>,<I>v</I>〉の <I>v</I> に対する適切な代替動詞候補を与える手法を提案する.不自然な共起表現中の動詞(誤用動詞)と自然な共起表現となるように修正した適切な動詞(正用動詞)とは出現環境が類似している傾向にあると考えられる.この仮説に基づき,大規模な母語話者コーパスから得られる統計情報を用いて,〈<I>n</I>,<I>c</I>〉 との共起が自然と言える代替動詞候補を,学習者が入力した共起表現の動詞との出現環境の類似度の降順に提示する.まず,誤用動詞とその正用動詞のデータに基づいてこの仮説を検証し,さらに,同データを用いて提案手法に基づいた共起表現に関する作文支援システムの実用性について検討する.