- 著者
-
中野 彰郎
- 出版者
- Waseda University
- 巻号頁・発行日
- 2005-02-02
本研究では、近年注目されているSMTアーキテクチャの一つであるHyperThreadingを対象に、LinuxのSMT対応に関しての調査、評価実験を行った。その結果、多くのベンチマークではSMTが効果的に動作していたが、一部ベンチマークテストで性能低下が見られた。その低下が見られたベンチマークをもとに、メモリプロファイリングツールhardmeterを利用してキャッシュミスの頻度を測定した結果、schedule関数において多数のキャッシュミスを確認することが出来た。これはtask\_struct構造体が8KBおきに配置されていることによるものであり、このキャッシュミスをカラーリングの手法を用いることで回避を試みた。その結果、chatベンチマークの性能低下をHyper-Threadingが無効の場合と比べ、同程度から数%の性能低下に抑えることができた。