著者
山本 泰也 水谷 将也 乾 清人 浦川 修司 平岡 啓司 後藤 正和
出版者
日本草地学会
雑誌
日本草地学会誌 (ISSN:04475933)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.12-18, 2008-04-15
被引用文献数
4

イネホールクロップサイレージ(イネWCS)と併給する粗飼料をアルファルファ乾草またはチモシー乾草とする2種類の混合飼料(TMR,以下前者をアルファルファTMR区,後者をチモシーTMR区とする)を調製し,イネWCSと併給する粗飼料の飼料特性の違いが未消化子実排泄や乳生産に及ぼす影響を比較検討した。この場合,乾物混合割合はイネwcs,アルファルファ乾草およびチモシー乾草ともに20%とした。乾乳牛でのチモシー乾草の消化管通過速度はアルファルファ乾草のそれより遅く,チモシーTMR区の粗飼料価指数(RVI)はアルファルファTMR区のそれよりも高い傾向があった。その結果,チモシーTMR区の子実排泄率はアルファルファTMR区より低くなる傾向があり,供給粗飼料の違いが牛の咀嚼行動および子実消化性に影響を及ぼすことが示唆された。泌乳牛では両TMR区とも十分な乾物摂取量を維持でき,乳生産も差はなかったことから併給粗飼料の違いによる影響は認められなかった。