著者
亀森 直 竹内 崇 杉山 晶彦
出版者
Japanese Society of Veterinary Science
巻号頁・発行日
vol.70, no.3, pp.313-315, 2008 (Released:2011-12-08)

成熟ラットの静脈内に投与したウシラクトフェリン(bLF)は血液-脳脊髄液関門を通過することを免疫組織化学的に解析した。bLFは、投与後10分で大脳白質の毛細血管内皮細胞の小胞膜上に検出された。抗-bLF抗体陽性反応を示す多数の小胞が脈絡叢上皮細胞にも認められた。さらに、脳脊髄液中のbLF濃度は、bLF(10 or 30mg/kg)の静脈内投与後1-2時間で有意に上昇した。これらの結果は、LFが脳脊髄液中あるいは脳実質へ移行する可能性を示している。