著者
二条持通
出版者
飛鳥井栄雅 写
巻号頁・発行日
1489

書名は巻頭による。別名「柳営歌合」「大樹家歌合」等。文明14年(1482)6月10日に室町幕府9代将軍足利義尚の主催で行われた歌合。作者は前関白二条持通、関白近衛政家以下左右各10人、判者は飛鳥井雅親。本写本は、長享3年(1489)の栄雅(雅親の法名)の自筆奥書に拠れば、豊前守賢家(細川家の重臣上原賢家であろう)の求めで書写したもの。雅親の判詞は、第一番のあとに記した自序にあるように、折句で記されており、和歌の各句の頭字を連ねると判詞となる(たとえば第一番では「みきはまけ(右は負け)」)。本写本ではその各字に朱点を付す。装訂は綴葉装(列帖装)。第1丁に古筆家の極札を貼る。黒印「守村」は古筆分家二代目了任の名で、分家の代々が鑑定に用いたもの。飛鳥井雅親(1417-90)は室町時代後期の公卿、歌人。文明5年(1473)に出家して栄雅と称する。歌壇の第一人者として活躍、蹴鞠、書にも優れた。