著者
伊在井 淳子 盛口 佳宏 堀切 康正
出版者
日本腹部救急医学会
雑誌
日本腹部救急医学会雑誌 (ISSN:13402242)
巻号頁・発行日
vol.34, no.7, pp.1337-1340, 2014-11-30 (Released:2015-02-27)
参考文献数
6

症例は91歳女性で,繰り返す腸閉塞の治療目的に,当院へ紹介された。CTでは,骨盤内の拡張小腸内腔に気泡を含む長径3.5cmの塊状物を認めた。イレウス管を挿入し,腸管減圧後に行った小腸造影で,イレウス管先端付近の小腸内腔に,楕円形の陰影欠損を認めた。以上より,食物残渣の陥頓をきたした食餌性イレウスと診断した。食物残渣を溶解する目的で,1日計500mLのコカ・コーラゼロⓇを,100mLずつ間歇的にイレウス管先端から注入した。注入を5日間行ったところ,イレウス管の排液が著明に減少し,イレウス管先端が右側結腸まで達して,腸閉塞の解除が確認された。食餌性イレウスがイレウス管による減圧で解除されない場合,経イレウス管コーラ注入が有用な可能性がある。特に超高齢者では,手術回避の観点から考慮すべき方法であると考えられた。
著者
伊在井 淳子 盛口 佳宏 堀切 康正
出版者
日本腹部救急医学会
雑誌
日本腹部救急医学会雑誌 (ISSN:13402242)
巻号頁・発行日
vol.34, no.7, pp.1337-1340, 2014

症例は91歳女性で,繰り返す腸閉塞の治療目的に,当院へ紹介された。CTでは,骨盤内の拡張小腸内腔に気泡を含む長径3.5cmの塊状物を認めた。イレウス管を挿入し,腸管減圧後に行った小腸造影で,イレウス管先端付近の小腸内腔に,楕円形の陰影欠損を認めた。以上より,食物残渣の陥頓をきたした食餌性イレウスと診断した。食物残渣を溶解する目的で,1日計500mLのコカ・コーラゼロⓇを,100mLずつ間歇的にイレウス管先端から注入した。注入を5日間行ったところ,イレウス管の排液が著明に減少し,イレウス管先端が右側結腸まで達して,腸閉塞の解除が確認された。食餌性イレウスがイレウス管による減圧で解除されない場合,経イレウス管コーラ注入が有用な可能性がある。特に超高齢者では,手術回避の観点から考慮すべき方法であると考えられた。