著者
中本 佑輔 佐本 憲宏
出版者
一般社団法人 日本フットケア学会
雑誌
日本フットケア学会雑誌 (ISSN:21877505)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.1-6, 2019-03-30 (Released:2019-03-30)
参考文献数
9

【要旨】外反母趾や lesser toe 障害をはじめとする足部疾患は足部の潰瘍・胼胝や足趾の壊死の原因の 1 つである.整形外科にて保存治療,手術治療が行われるが,保存治療例においてはフットケア外来にて創傷処置などの治療が行われることもある.これらの疾患は適切な靴の指導や装具療法により発症・再発を予防することが可能である.保存治療,装具療法を行う際に適切な靴を選び,正しく履くことは非常に重要であり,足部疾患にかかわるすべての医療従事者が靴に関する正しい知識をもつ必要がある.
著者
佐本 憲宏
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.159-166, 2019-02-25

外反母趾患者は近年増加し,手術も増加傾向にあるが,まず保存療法を行うことが治療の第一選択となる.それには靴の指導,運動療法,足底挿板などの装具療法と薬物治療があり,それらを組み合わせて治療することが多い.運動療法は非常に重要な保存療法であり,エビデンスに基づいた母趾外転筋運動訓練,Hohmann体操や足趾のストレッチなどがある.特に母趾外転筋運動訓練は軽度外反母趾では変形を改善させる効果が証明されている.重度の外反母趾や多趾の変形を合併した場合でも母趾や第2趾の関節拘縮を軽減させる効果がある.