著者
佐藤 遼次 佐藤 一郎 金子 雅彦 水野 貴之
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第34回全国大会(2020)
巻号頁・発行日
pp.2E6GS504, 2020 (Released:2020-06-19)

企業が事故や災害で被災し操業が中断した際に,その経済的ショックがサプライチェーンを介して取引先に波及するかどうかを明らかにするために,本研究では,サプライヤーの売上情報とその顧客企業の売上情報との関係を表現する回帰モデルを構築した.具体的には,主に上場企業に関する財務情報を収録したデータベースから,事故や災害による被災の有無に関わらず,2012年から2016年までの製造企業の売上情報(約7,500件)を整理した.これを企業の取引関係を収録したデータベースと突合することで,各決算年度におけるサプライヤーおよび顧客企業の売上成長率を紐づけたデータセットを作成した.これに,各企業の国籍や業種等の情報を加え,機械学習(LightGBM)を用いることで,サプライヤーの売上前年比を含む情報から,その顧客企業の売上前年比を回帰するモデルを構築した.そのモデルにおける特徴量の重要度を評価することで,企業の売上成長が,サプライチェーンを介した取引先のパフォーマンスによる影響を受けていることを明らかにした.