著者
依田 紀久
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.90-95, 2006-03-01
被引用文献数
2

レファレンス協同データベース事業は,全国の図書館で行われているレファレンスサービスの記録や,そこで蓄積された調べ方に関する情報などをデータベース化し,図書館におけるレファレンス業務や,一般の人々の情報検索に役立てることを目的とする協同事業である。本稿ではまず,この事業の概要と現況を解説する。その上で,事業を通じて見て取れる参加館のレファレンスサービスの変化を,具体的に紹介する。最後に,今後のデジタルレファレンスサービスの課題について私見を述べる。
著者
依田 紀久
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.58, no.10, pp.492-498, 2008-10-01

本稿は,近年漸進的な変化を遂げつつある米国図書館の経営の実態の理解を目的とするものである。ピッツバーグ公共図書館にスポットライトをあて,全国的な動向を意識しながら,事例報告という形でその経営を調査した。このピッツバーグ公共図書館の事例分析から見えてきたものは,公共図書館経営の,1)複線性,2)戦略性,3)科学性という3つのキーワードである。すなわち,米国の図書館の経営は,1)様々な資金調達方法を組み合わせた複雑なものであること,2)それを実現させるために専属の部局が設置され館全体のサービスやプロジェクトを資金調達に向けて戦略的に組み立てていること,3)経験が蓄積され理論・実践とも深まりをみせていること,特に資金調達の科学的手法が実証されつつあること,が明らかになった。