著者
保科 架風
出版者
日本計算機統計学会
雑誌
計算機統計学 (ISSN:09148930)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.73-85, 2013-06-17 (Released:2017-05-01)
参考文献数
14

高次元データに基づく線形回帰モデリングにおいて,モデルの推定と変数選択を同時に実行するlassoは新たなモデル選択手法となり,様々な発展的手法が提案されている.Bayesian lasso(Park & Casella, 2008)はlassoをベイズアプローチに拡張し,推定にマルコフ連鎖モンテカルロ法を適用したものである.これにより,lassoの事後分布の抽出やモデルの推定への事前情報の組み込みが可能となったが,Bayesian lassoには推定と変数選択の同時性が存在せず,モデル選択法として有効に機能しないということが分かった.この問題に対して,本論文ではBayesian lassoの推定値を事後確率に基づいて修正し,推定と変数選択の同時性を持たせる計算アルゴリズムを提案する.また,モンテカルロシミュレーションによって,提案アルゴリズムが推定精度や予測精度に与える影響などについて検証する.
著者
保科 架風
出版者
日本計算機統計学会
雑誌
計算機統計学 (ISSN:09148930)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.73-85, 2013-06-17

高次元データに基づく線形回帰モデリングにおいて,モデルの推定と変数選択を同時に実行するlassoは新たなモデル選択手法となり,様々な発展的手法が提案されている.Bayesian lasso(Park & Casella, 2008)はlassoをベイズアプローチに拡張し,推定にマルコフ連鎖モンテカルロ法を適用したものである.これにより,lassoの事後分布の抽出やモデルの推定への事前情報の組み込みが可能となったが,Bayesian lassoには推定と変数選択の同時性が存在せず,モデル選択法として有効に機能しないということが分かった.この問題に対して,本論文ではBayesian lassoの推定値を事後確率に基づいて修正し,推定と変数選択の同時性を持たせる計算アルゴリズムを提案する.また,モンテカルロシミュレーションによって,提案アルゴリズムが推定精度や予測精度に与える影響などについて検証する.
著者
石田 明日香 高柳 昌芳 保科 架風 岩山 幸治
出版者
日本計算機統計学会
雑誌
計算機統計学 (ISSN:09148930)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.99-126, 2023 (Released:2024-01-11)
参考文献数
16

現在, バスケットボールの選手評価に使われる指標には, 評価値の信頼性に関する情報を得ることや選手同士の相乗効果に関する評価が難しいという問題がある. これに対し本論文では, チームメイトや対戦相手など同時に出場している選手の能力や, チームメイトとの相乗効果を考慮に入れたモデルをベイズ推定することでそれらの問題を解決する選手評価が可能になることを示した. また, 選手の攻撃・守備能力などの事後分布を解析的に導出することで, 選手の能力評価値やそれらのアフィン変換で得られる指標のベイズ信用区間を構築し, 能力値の推定の不確実性についても評価できることを示した. これは, マルコフ連鎖モンテカルロ法を利用するよりも計算コストを抑えることが可能である. また, アメリカ National Basketball Association (NBA) のデータを利用し, 既存手法との比較検証を実施し, 提案手法は既存手法よりも妥当な選手評価を提供することを確認した.