- 著者
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倉元 信行
谷口 人文
沼田 吉彦
麻生 功
- 出版者
- 公益社団法人日本セラミックス協会
- 雑誌
- 窯業協會誌 (ISSN:18842127)
- 巻号頁・発行日
- vol.93, no.1081, pp.517-522, 1985-09-01
- 被引用文献数
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AlN-Ca(NO<sub>3</sub>)<sub>2</sub>系を常圧焼結して透光性焼結体ができる過程を調べた. 1800℃で3時間焼結の各過程の試料について密度, Ca濃度, 熱伝導率の測定及び走査型電子顕微鏡観察を行った結果, 焼結は典型的な液相焼結であり, (1) 粒子の再配列 (1300°-1600℃), (2) 溶解-析出によるち密化 (1600°-1800℃), (3) AlNの粒成長 (1800℃) の各過程が観測された. 1800℃で3時間焼結後の透光体試料のCa含有量は120ppmで, 焼結中にアルミン酸カルシウム相の揮散が生じていることが分った. 一方, AlNの熱伝導率に及ぼす酸素含有量及び金属不純物含有量の影響を調べた. 広い酸素含有量の範囲 (0.26-7.3wt%) で熱伝導率は酸素含有量の対数値に反比例し, 熱伝導率の最高値131W/mKは酸素量0.26wt%の常圧焼結体で得られた. またSi, Fe, Mgなどの金属不純物の添加効果を調べ, これらの金属の各々約200ppmの添加によってAlNの熱伝導率の初期値, 140W/mKはそれぞれ105W/mK, 114W/mK, 122W/mKまで急激に低下することが分った. これらの結果から高熱伝導性のAlN焼結体を作製する条件として, 低い酸素含有量と低い金属不純物含有量の両条件が重要であることが明らかになった.