著者
内匠 真也 奥野 航平 大月 勇人 瀧本 栄二 毛利 公一
雑誌
研究報告コンピュータセキュリティ(CSEC)
巻号頁・発行日
vol.2015-CSEC-68, no.12, pp.1-8, 2015-02-26

情報漏洩の多くは人為的なミスにより発生している.そこで,人為的ミスによる情報漏洩を防止するために,ファイルごとに設定可能なデータの機密度に基づいて,データの出力処理を制御するセキュアシステム DF-Salvia の開発を行っている.DF-Salvia では,コンパイラと OS が連携し,プロセス内部のデータフローを追跡する.本論文では,そのデータフロー追跡手法について述べる.具体的には,コンパイラによってデータフローの静的解析情報を生成するとともに,実行時に動的解析を可能とするためのデータフロー追跡用コードを挿入する.OS は,それらの情報をもとに動的にデータフローを解析する.本手法をアプリケーションに適用させた結果,データフローを追跡し,情報漏洩を防止できることを確認した.